原画「音もなくほどけて」

ー 記憶の波間に、かすかにひかるもの

この作品は、明るい光の中に潜む揺らぎと
拭いきれない記憶の名残をたどるように
描かれました。

明るい水色と深い紺色の層を何度も塗り重ね、
そしてあえて拭きとるという行為の中に
「消えてしまいそうなものをもう一度抱きしめる」
ような想いが込められています。

剥がされた紙の痕跡や、
ナチュラルサンドや和紙が生む微細な質感は
忘れかけていた記憶や感覚の手触りのよう。

静けさのなかでそれらは音もなくほどけていき
波間にほのかな光を宿しながら
静かに心へと届きます。

目を閉じるようにそっと寄り添いながら
感じていただけたら嬉しいです。


P3(273×190mm)
木製パネル

アクリル・オイルパステル・オリジナル素材・
和紙・ナチュラルサンド
　

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